2021-06-03

総長選考改革私案・その1

こういうのは他の人とあまり比べられないのでよくわからないのだが、わたしはいろいろなことを考えるのが好きな方だと思う。今回の総長選考におけるいろんなプランもそうだったが、ときどき、勝手な私案を作ったりして遊んでいる。なかでも、これまででいちばん気に入っているのは、医師国家試験改革私案だ。

医師国家試験は完全に時代遅れである。知識は外付けできる時代になっているのだから、すぐに忘れてしまうような膨大な医学知識を記憶させることなどまったく無意味。そんなつまらない試験が、いかに医学教育を歪めているか。わかっているのに誰も変えようとしない。残念ながら、大学教授の保守性を見事に物語っている。国家試験では、ネット接続なしのタブレット、あるいは電子辞書を使わせればいいのではないかという提案だ。興味ある方はぜひこのブログをお読みいただきたい。ええ案やと思うんですけどね。

総長選考(あるいは学長選考)についても、いろいろ考えた。それに、このところ総長選考について、毎日、朝日、読売、産経の各紙から立て続けに取材をうけて、にわか「国立大学法人学長選考評論家」である。そういえば、7年前にはSTAP細胞評論家みたいになっていたことがあったなぁ。

まぁ、それはよろし。せっかくいろんなことを考えたことだし、忘れないうちに、総長選考について数回にわたって書いておきたい。ということで、まずは選考の進め方について。そのルール、国立大学法人法に基づいているとはいえ、それぞれの大学によって細かなところは異なっている。逆にいうと、ユニバーサルにベストな方法はないということだ。以下は大阪大学の場合について。

候補者になるには、推薦を受けねばならない。大阪大学では、総長選考に立候補というシステムはない。30名の推薦人を集める、あるいは、総長選考会議から推薦をうける、という二通りがあるだけだ。これはおかしくはないか。立候補制の方が素直ではないか。もちろん、立候補の場合も何人かの推薦人が必要ということでいい。どうして立候補制を取らないのか、まったく理解不能である。立候補などというものは、大学教授にとってはしたないという発想なのだろうか。だとしたら、バカバカしい以外のなにものでもない。

教員からの推薦は、前回までは教授限定だったが、今回は講師以上になった。若い人の意見も、ということなのだろうが、それなら意向投票を講師以上にすべきである。推薦人のところで少々いじったところで、大勢に影響はない。まやかしというか、こざかしいというか、という程度の改定としか思えない。

わたしのようなインディーズ系で候補者になろうとすると、30名という推薦者を集めるのは結構大変だった。依頼を始めたころに、立て続けに断られて、立候補、じゃなくて、候補者になることを断念しようかと思ったほどだ。

理由のひとつは、推薦したいのだけれど名前が他に知られたら困る、という人が何人もおられたからだ。推薦くらい、自分の意志だけでしたらどうかという気がするが、大人の事情だ。いたしかたない。推薦人の名前は非公開なのだから心配いらないと考えるのが普通かもしれない。しかし、大学関係者でそう思う人はほとんどいないはずだ。

経験上、大学の情報管理は相当に甘い。ずいぶんと前になるが、とある論文ねつ造事件に連座したことがある。その時、どう考えてもごく一部の人しか知り得ない極秘の内容がいくつもマスコミに漏れていた。それ以前に、大学というところはふだんからあまりオープンではないので、真偽のわからない噂がよく流れてくる。困ったことに、そのような噂が本当であったと後日になってわかることがけっこう多い。ある種の情報漏洩である。まぁ、大学というのはそういうところと思っておかなければ仕方ない。

提出する書類は、といっても、私が提出するのではない。立候補制ではなくて推薦制だから、最重要なのは代表推薦人による推薦書(大阪大学総長候補者推薦書、総長候補者推薦人名簿及び推薦状、推薦理由書)で、被推薦者が所信表明書と履歴書をそれに添えて提出する。

これまで繰り返し述べてきたように、所信表明書を学内限定でしか公開しない理由は全くわからない。よほど馬鹿げた内容、あるいは、ポピュリズム的な恥ずかしい内容を書いていない限り、どの候補者も、公表されてたところで何ら困らないだろう。なのに、なぜ総長選考会議はそのような配慮をするのか。意味のない秘密主義としか考えられないのだが、いかがだろう。

ある候補者の所信表明の内容について疑問があるので、コラムで指摘していいかと事務に問い合わせた。その回答は、所信表明書の内容は職務上知り得た秘密なので不可とのことだった。候補者同士が討論する機会もない上に、このようなことすら許されない。これもおかしくはないか。

次回から、総長選考会議による総長候補者の面接、総長候補者の所信表明、学内意向調査へと続いていきますが、だんだん興奮度がたかまっていきますので、お楽しみに。

写真:アンコールワット

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