2021-05-02

おもろそうやから阪大へ

大学をランク付けすることにどれほどの意味があるのかとは思う。しかし、気にならないと言えばウソになる。大阪大学は、かつて「3位じゃダメなんです。」という全面広告を日本経済新聞に出して話題になったことがある。残念なことだが、客観的にみて、むしろそれ以降、順位は下がり気味と言わざるをえないだろう。

3位であろうが、それ以下であろうが、常に京都大学が上にいる。受験生だって、いっちゃぁなんだが、京大と阪大のどちらに行きたいと聞かれたら、ほとんどが京大と答えるのではないか。このように、大阪大学には他の旧帝国大学にはない足かせがある。それは、地域でいちばんの大学ではない、ということだ。

阪大の総長を目指す者がそういうことを言っていてはいかんのではないか、とお叱りを受けるかもしれない。わたしはそうは思わない。現実は現実なのだ。そこをごまかそうとするのは正しくなかろう。きれいごとではなく、しっかりと受け入れて大学の方向性を組み立てることの方が重要ではないか。

「阪大は実学ですけど、京大は『虚学』ですから」と、とある京大の先生に言われたことがある。普通に考えたら、実学の方が虚学より勝っていると思うのだが、そう言い切れないところが哀しい。もちろん実学は悪くない。たくさんお金をとってくるのも大事なことだ。しかし、大学たるもの、そればかりではあかんのだ。

歴史、専門分野、地の利、偏差値などなど、いかんともしがたい要因がたくさんある。それをどう克服するか。その名案は、ない。そんなもん、簡単にできたら苦労しませんわ。でも、気持ちだけは負けてへんぞ。そんな元気な大学にしていきたい。特に、学生には、偏差値なんか忘れてそんな気持ちを持ってほしい。

とか考えている中、『かわろう! 大阪大学』を見てと、むちゃくちゃうれしいメッセージをいただいた。『対話の部屋』にはすでにアップしたけれど、ここでも紹介したい。

「次男が浪人中です。京大志望で、これまでなぜか阪大は眼中になかったのですが、『仲野先生が総長になったら、面白いことがありそうだから考えてる』と申しております。三男も、次男の影響を受け京大志望と言っていましたが、心変わりしそうです。どうしたらいいでしょうか。」

どうしたらもこうしたらもない。お子さんの自由意志を優先させてもらいたい‼

「ホンマですか! 嬉しすぎます。さぞかし育て方が良かったのでしょう、素晴らしく判断力のあるお子さんたちだと思います。どうしたらいいでしょう、ではなくて、そのままにしておいてあげてください。また、その節には何卒よろしくお願いいたします。」

とおこたえした。やらせではないかと思われるかもしれないが、鉄板の実話である。総長になれるかどうかわからないし、なったとしても、やっぱり京大といわれるかもしれない。でも、一人でも二人でもこんなことを考える子がいてくれると知っただけで、むちゃくちゃ勇気がわいてくる。

おもろそうな大学やから阪大へ。そうやって入学する学生が増えてきたら、間違いなく明るくて楽しい大阪大学になっていく。地域二番校としては、一番校と違うベクトルで勝負するしかないと肝に銘じた。

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対話の部屋』では、みなさまからの質問、ご提案、励まし、悩み(?)など、質問箱から広く受け付けています。考えを率直に交換する。それが大学を良くするために最も必要なことだと確信しています。これまでに、学生、事務の方から教授まで、また、大学関係者以外からもあわせて40件ほどのご連絡をいただいています。もっともっといただきたいと考えておりますので、みなさま奮ってご投稿ください!

写真:令和初日のランタン・リルン

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