2021-05-01

大学は噂好き?

令和になって今日でちょうど2年。元号の変わり目のゴールデンウィーク、10日間の連休は、ネパールにあるランタン谷のトレッキングへ。その4年前にあった大地震の復興支援の気持ちもあって出かけました。5月1日、令和元年の初日は、主峰であるランタン・リルンを展望する4,777メートルのピークへ登頂。

日本では、平成から令和へと移りゆく時さぞかしかまびすしかったのでしょう。しかし、ランタン谷では電波が通じないので、ニュースも飛び込んできません。それに、トレッキング仲間の会話でも、そんな話題はほとんど出ず。なんだか拍子抜けしたような令和の初日でした。

どうでもいいとは言いませんが、こういったことは、周囲が話題にするから気になるだけではないか。騒ごうと思えば騒げるし、静かにしていようと思えば静かにしていられるものだということがよくわかりました。噂話や風説も似たようなものでしょう。

大学というのは基本的に、おもしろいことや楽しいことが少ないところです。だから、ちょっとしたことが噂になったりします。とりわけ、人事関係が話題になりやすいようです。

医学部、特に臨床系の教授は阪大医学部出身者がほとんどです。とある教授選考で、そんな状況だけれども、多様性の観点からも外部からの人材をいれるべきだと、こんな発言をしました。偶然、その前日にテレビでやっていた「イワシとナマズ」をめぐる北欧でのエピソードです。

漁に出て獲ったイワシを生け簀の中に入れておくと、普通みんな死んでしまいます。なのに、生きたまま持ち帰ってくる漁師がひとりだけいました。どうしてでしょう?その漁師は、生け簀にナマズをいれていたのです。そうすると、違ったものがすぐ近くにいるという緊張感からイワシは生きのびるというのです。こんな逸話で、他大学から教授を招くべきだと論を展開しました。本当の話かどうかわかりませんが、議論がヒートアップしてきたので、ちょっとおもろい話でクールダウンという気持ちもありました。

数日後、旧知である他学部の教授から、「仲野さん、教授会でおもろいこと言うたらしいやん」と言われました。ん、なんでそんなこと知ってるん?と尋ねたら、教授会にしては珍しいユニークな発言だったので噂になってるとのこと。ホンマですか。その程度の話が広まるとは、みんな、よっぽど楽しみがないんちゃうん。

別の教授選考をめぐるメール審議で、わたし一人だけが違う意見だったことがあります。このときも、部外者から、「先生、勇気ある投票をしたらしいですね」と言われました。へ?なにも忖度せずに投票したらそうなっただけで、勇気なんかあらしませんわ。自分でもびっくりしたくらいなんやから。噂は尾ひれがつきがちです。

教授選考では、けっこう、誰それに投票してくれという依頼があるそうです。「そうです」というのは、ずいぶんと長く教授をしているけれど、わたしのところにはほとんど来ないからです。だからわたしにとってはほぼ常に、選挙は無風です。仲野は何を言っても無駄だと思われているのでしょうか。じゃまくさくなくてええんですけど、寂しいような気がしないでもありません。

総長選考になると、さすがにいろんな噂が流れてくるかと、ちょっと楽しみにしていました。しかし、ほんの少ししか入ってきません。「台風の目」みたいになっていて、当事者には聞こえてこないのでしょうか。静かでいいけれど、手応えがなさすぎるという印象であります。

そんな中ですが、あきらかに偽りである噂が耳に入ってきたりします。当事者から聞いたことであったり、自分のことであったりしますから、真っ赤なウソだとわかります。何者かが何らかの意図をもって流しているのでしょう。賢明なる有権者、大阪大学の教授たちはそんな妄言に惑わされることがないと信じつつ、今日もオープンな正直コラムを書いています。

写真:令和初日のバンザイ@標高4,777メートル

 

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