2021-04-25

推薦理由、公開!

総長選考の候補者になったというと、偉い人だと勘違いされたりする。インディーズ系候補ゆえ集めるのが大変だったとはいえ、30人が推薦してくれはっただけやのに。

推薦人はどなたですかと尋ねられることもある。非公表が前提なので、オープンが信条とはいえ、さすがに言うわけにはいかない。もちろん生命科学関連部局の先生が多いが、全部で11部局にわたっていることはダイバーシティーの点から自慢したい。ただ、女性が4名というのは少なくて、不徳のいたすところである。それから、准教授、講師から4名。これも悪くない。

立候補する、じゃなくて、候補者として総長選考会議に推薦してもらうには、代表推薦人による推薦理由書も必要である。その執筆は、魚の縞模様研究で有名な、生命機能研究科の近藤滋教授にお願いした。畏友・近藤滋は同僚教授というだけでなく、京都大学医学部医化学教室、本庶研究室で苦労をともにした以来の仲、すでに30年近い付き合いだ。

候補のおひとりについては、代表推薦者が推薦文を立派な紙に印刷して学内で配布しておられるらしい。まさか紙代が公費ということはないと思うが、ご苦労なことである。無駄な手間を省く、そしてエコロジーの観点から、わたしの推薦理由書をここで公表する。もちろん、近藤滋も了解済み、ではなくて、ぜひ公開してほしいとのこと。闘う仲間もフルオープンだ。

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現代は、大学が自力で生き抜かねばならない時代であり、大胆な改革が迫られています。総長のかじ取りが大学の命運を担っていると言っても過言ではなく、トップとしてのスキルが十分でなければ、難破する可能性も大いにあります。ただ、ここで問題となるのは、総長が舵を取るのは、船ではなく、人間の集団であるということです。総長の方策がいかに正しくても、大学全体がその方向に動くとは限りません。大胆な改革には、当然、反対意見も出てくるので、それを乗り越えて大学を正しい方向に進めるためには、総長と構成員の間に、十分な意思疎通と信頼関係の構築が必須です。そもそも、選挙によって総長を選ぶ意味はそこにあります。各候補が、自分は何をどのような方法で行うかを表明し、議論し、構成員に意思を十分に伝え、そのうえで、投票により選ばれる。これにより、選挙自体が、合意形成のプロセスとなるはずです。

しかしながら、私がこれまで経験した総長選考では、漠然とした所信表明と候補の人物像に関する情報は与えられますが、具体的な改革案が、候補と構成員を交えて議論されることはありませんでした。総長選の仕組み自体に、そのようなプロセスが含まれていないのです。これでは、一般の構成員は、誰に投票して良いのかわかりませんし、おそらく、一番困っているのは、総長選考会議のメンバーの方々ではないかと推察いたしております。改革案に関しては、それぞれの候補で一長一短あると思います。しかし、構成員の合意なしに改革を行うことが不可能なのであれば、まず、そのような努力をするかどうかが、誰が総長に相応しいかを決める重要な基準になるはずですし、そうあるべきです。

私が仲野徹教授を総長候補に推薦する理由は、その素晴らしい学問的な業績、リーダーシップ、ざっくばらんで飾らない人柄、学会だけでなく古典芸能、マスコミなどへの顔の広さなど、多数あります。それ以上に、彼のもっとも重要な資質は、反対されることを厭わず、自身の意志を伝える労力を惜しまない点にあります。そしてその資質は、今回の総長選で大いに発揮されることでしょう。

上記のように、候補と構成員が十分な議論を戦わす機会は、現状のシステムに組み込まれていませんが、今はSNSが使えます。仲野教授が予定しているHPには、彼の考える改革案が具体的に記されるほかに、改革への意見を受け付けるページや、あらゆる質問に答えるコーナーが用意され、真剣かつ前向きな議論を行う準備ができています。

大学を取り巻く外部状況が流動的であるため、現時点での最良と思われる改革案が、将来的にもベストにはならないかもしれず、舵取りをする総長には、臨機応変の対応が求められます。しかし、どんな改革であっても、構成員の合意なしに行うことは不可能であり、合意形成は必須です。仲野教授が、この面で際立った能力を持っていることは間違いなく、それが彼を総長として推薦する最大の理由です。また、選挙のプロセスの中で、仲野教授を中心として大学の将来についての真剣で前向きな議論がなされることで、多くの構成員が、仲野教授の能力を理解し、私と同じ想いになってくれると確信します。

以上の理由から、仲野徹教授を総長候補として強く推薦いたしたく存じます。何卒、よろしくお願い申し上げます。
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いかがでしょう。この推薦理由書と同じように考えていただけたらなによりうれしいところでございます。

写真:ロイガヴェーグル・トレイルの道標@アイスランド

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