2021-04-19

『学長選挙の勝ち方』@朝日新聞:下

質問箱からのご質問もあったので、まずは大阪大学の総長選考システムから。勘違いしておられる方がおられるかもしれないが、総長選「挙」ではなくて、総長選「考」である。10年前にあった前々回までは、教授がカンヅメにされて、過半数を獲得する候補が出るまで投票を繰り返す選挙だった。しかし、前回からは、意向投票を受けて総長選考会議が最終決定するというやり方になっている。

候補は、大阪大学の役員、専任教員(講師以上)、職員(課長以上)、30名の推薦を受けた人、あるいは、選考会議が推薦した人である。学外者でもかまわないが、立候補制ではなくて完全推薦制というのが特徴だ。建前としては、そういった推薦をうけて、「ようございます、候補者になりましょう」、ということで成り立っているのだ。自然発生的に推薦者30名が集まるとはちょっと考えにくいので、少し不思議なシステムではある。はっきりと意見を言うのを避けがちな、大学らしいルールのような気がする。

選考委員会による面接(非公開)、候補者による所信表明と質疑応答(学内公開)を経て、意向投票がおこなわれる。それらの内容から、意向投票の当日に選考委員会が最終的に決定するという段取りだ。運命の日は5月25日。意向投票は、候補が3名以内の場合は一回、4名以上の場合は一回目の投票での上位3名による投票の二回。

前回の総長選考では、意向投票の一位候補が総長に選出されたが、他大学の例を見ていると、かならずしもそうとは限らない。筑波大学のように、大学によっては、意向投票がおこなわれずに決定されたところもある。制度的にはそれも可能なので、意向投票がおこなわれるというのは健全なことだ。

意向投票の投票権者は大学によって異なっている。東大は教授、准教授、教授会構成員の講師、京大は教授、准教授、講師、および事務職員の一部となっているようだ。それに対して、阪大は、役員、教授、部長以上の事務職員である。教員を講師以上にするか教授のみにするか、一長一短はあろうが、投票結果は大きく違ってきそうだ。

選挙ではなくて意向投票なのだから、教授だけに絞る必要はないのではないか。総長選考といえば、いわば大学の方針である。それを教授や事務上層部だけで決めるのは正しいことなのか。それに、教授と准教授・講師を分けて意向投票をすることだって可能だ。さらに、任期付きの教員や寄附講座の教員もたくさんおられるのだから、その意見も勘案してはどうか。パラメーターが多い方が、正しい選考ができるのではないか。

しかし、学生までとは思いもよらなかった。昨日紹介した朝日新聞の「耕論・学長選挙の勝ち方」にあった、岡山大学・大学院生の別木萌果さんによる「選考過程は学生にも大事」という意見は目からウロコ。考えてみれば、大学における数的最大派閥は学生である。教職員と立場が違うといえばそれまでだが、まったく意見を言うチャンスがないのを当たり前とするのはちょっとおかしいのではないかと反省。

自分ではリベラルだと思っていますけれど、まだまだあきませんわ。というようこともありますので、みなさん、ご質問とかご意見とか、質問箱からどんどんお送りいただければありがたく存じます。

写真:シロクロエリマキキツネザルと@マダガスカル

 

 

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