2021-04-18

『学長選挙の勝ち方』@朝日新聞:上

総長選考への準備をそろそろ始めかけたころである。我が目を疑った。朝日新聞に『学長選挙の勝ち方』という記事が載ったのだ(2月23日「耕論」)。一瞬、これは私のために載せてくれたのかと思った。かなり自己肯定的な性格なので、こういうふうに感じたりしてしまう。もちろん、そんな訳はない。

学長と総長はどう違うのか?一般的な名称は学長である。大昔、帝国大学の学長を総長と呼ぶように決められていたので、旧帝国大学では総長という呼称が慣例として使われ続けている。なんとなく総長の方が偉そうに聞こえるからかもしれない。

「耕論」は、あるテーマについて、立場の違う三人へのインタビューを記事にしたものである。この回は、京都精華大学・学長のウスビ・サコ先生、一部で不透明だと批判された東大の総長選考で選考会議の議長を務められた元・東大学長の小宮山宏先生、そして岡山大学・大学院生の別木萌果さん。ウスビ・サコ先生のお話には膝をたたいた。

サコ先生は西アフリカのマリ出身で、日本の大学においてアフリカ出身者として初めて学長になられた方だ。お目にかかったことはないけれど、ご著書を読み、そのあまりにおもしろさに、読書委員を務める読売新聞の「本・よみうり堂」で紹介した。

その印象から、直球勝負の先生だとは思っていたが、この記事でもすごくストレート。タイトルは「何をしたいか掲げ、選ばれた」で、「何をしたいかを書いたマニフェストをつくり、候補3人の討論会で訴えました」とある。おぉ、なんと健全なのだ、と思ってしまったのはおかしいといえばおかしい。当然、こうあるべきなのだから。

マニフェストで選ぶなんてあたりまえだろうと思われるかもしれない。しかし、わたしが知る限り、マニフェスト(所信表明)で投票を決める人は多くなさそうだ。かくいうわたしも、これまであまりまともに読んだことがなかった。というのは、ありきたりのことがお題目のように並べてあって、何をしたいかが明瞭でないと感じていたからだ。なので、所信表明では、「何をしたいか」を、さらにもう一歩踏み込んで「何をやるか」をしっかりと書いた。

今回の総長選考、所信表明の機会はあるが、候補同士の討論会はない。所信表明の演説をして、選考委員会から事前に示された質問にこたえるだけだ。候補者同士の討論会をやれば盛り上がるだろうにと思うが、選考会議の決定なのだから仕方がない。

サコ先生の記事の最後の方に「私にとって学長とは、なんやろ……手段であってゴールではありません」とあった。まさに「御意!」である。大学を変えるには総長にならないと難しい。わたしにとって、総長になるのは手段であって、大学改革がゴールだ。一方的に気が合いそうな気がしていて、一度お目にかかれたらと思っている。

大学院生さんのお話については明日に。

写真:マダガスカルのバオバブ林

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